HOUSE / LABORATORY

PROJECT: 住宅
AREA: 60m²
LOCATION: 大阪市
BUILDER: 三好工務店
PHOTO: 高畑貴良志

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大阪市に建つ、築37年のマンション一室のローコストリノベーション。
非常に厳しい予算から、思い描いた理想像を逆説的に目指す一般的な設計手法ではなく、工務店との密な関係の中で、彼らの抱える在庫や端材をまずヒヤリングし、それらを素材の前提条件として設計を行う、通常とは異なったプロセスで成立させたプロジェクトである。

別の現場で出た廃材の軽鉄はカーテンボックスにし、釣りボルトの切れ端で天井から吊り下げた。ラワン合板は赤白が混在したが、白は廊下の床と寝室の床・壁に、赤は廊下の壁とリビングの床・壁に、といった具合で面による貼り分けを施し、安っぽいパッチワークのような見え方を防ぐのと同時に、異素材で見切ることで空間に多様性をもたらす材料となる。スチールの丸棒は「ラボ」と名付けたサンルームのハンガーパイプに応用し、その直径・全長と合わせた細型の蛍光管を梁下端と同じ高さで吊り下げ、窓から外を見ながら仕事のできる長いデスクを設えた。そのデスク端には、シンクを設置し、植物を植え、水やりの排水を直接スリーブを通してベランダに流せるようにした。上記の素材群をはじめ、カーテン、扉、框、照明、テーブル、塗料、金物に至るまで、同様のバックグラウンドを持つ。

素材の集まり方をコントロールし、ライブで物事を決断していくプロセスは、もはや設計というよりも、感覚と理論を統合していく実験的作業に近い。周辺環境がさほど影響しない内装リノベーションにおける厳しい予算が齎したこの状況を、建築でいうところのコンテクスト/必然的にこの場所に備わっている状況として捉え、思い通りにならないこのバラバラさは、逆に空間に多様性を齎す恩恵かもしれない。